（2006.10.15：中通島・ドンタク：水深８ｍ）
ニラミギンポの色彩変異らしい
イソギンポの仲間（イソギンポ科）
（2006.10.15：中通島・ドンタク：水深８ｍ）
★分布：不明 ★大きさ ：１２センチほどか
少し前、上五島でお世話になっているダイビングのガイドさんに、「変わっ
た色のギンポがいる」という話を聞いていたのですが、ドンタクというポイ
ントで偶然それを見つけることができました。今のところこの一匹だけしか
確認されていません。一緒に潜っていた集団で私がビリだったので、数枚
だけ撮影してその場を離れました。
そして専門家に写真を見てもらったところ、「ハナダイギンポだと思われま
す」との答えをもらってかなり驚きました。ハナダイギンポはかつて沖縄の
水納島で一度だけ撮影したことがあります。私の持っている図鑑にも載っ
ていて、「西表島、西部太平洋の熱帯域」で見られるとあります。これまで
私も、ハナダイギンポは五島とはずいぶん離れた暖かい海の魚と考えて
いたのです。そういうこともあり、私はハナダイギンポの可能性を最初から
捨てていたのでした。ただし、先生がおっしゃるにはハナダイギンポならば
体の下に黒い斑紋があるそうで、写真ではそれがわかりません。これが
ハナダイギンポならきっと五島初記録だろうと思うので、早くもう一度あそ
こに潜って確かめたいところです。私がまた潜れる日までなんとか元気で
いてほしいと願っています。（06.11.11記）
（追記①）
その後、写真を見ていただいた先生から「今の段階でははっきり判定でき
ないので、できればまた写真を撮って送ってほしい」との連絡をいただきま
した。（07．3．31記）
（遅くなりましたがさらに追記②）
その後、「同じ種類と思われる魚が高知で撮影されている。現時点ではニ
ラミギンポの色彩変異と考えるのが妥当でしょう」
との見解をいただきました。
さらにまたその後、「山渓 ハンディ図鑑１３ 日本の海水魚」という新しい図
鑑（２００８年出版）を買ったところ、ハナダイギンポ（屋久島で撮影）として
紹介されている写真が、この魚と同一種のように見えます。またまたさらに
先日、長崎ペンギン水族館の方とお話しする機会があったのですが、この
「ニラミギンポの色彩変異」と考えられる魚は長崎半島沿岸でも見られるら
しいことがわかりました。ポイントによっては、結構な数が見られるそうです。
（2010.4.25)