（2018.11.2：飛翔する立島のカツオドリと洋上風力発電機）
戸田建設のU氏より、五島市内で私たちと面談をしたいとの打診メール
が来たのは2019年2月13日のことでした。その２週間前、私が電話で
「地元市民と対話しないのは不誠実である。あなたたちは調査で時々
来島しているのだから、その時にしたっていいでしょう？」と伝えたことに
対するリアクションです。「ご面談について」という標題のメールは、次の
ように始まります。
五島列島・福江島の博物誌 ＜風力発電は島に何をもたらすのか 27＞
戸田建設とのやりとり
（2018.11.2：飛翔する立島のカツオドリと洋上風力発電機）
戸田建設のU氏より、五島市内で私たちと面談をしたいとの打診メール
が来たのは2019年2月13日のことでした。その２週間前、私が電話で
「地元市民と対話しないのは不誠実である。あなたたちは調査で時々
来島しているのだから、その時にしたっていいでしょう？」と伝えたことに
対するリアクションです。「ご面談について」という標題のメールは、次の
ように始まります。
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（2019.2.13：戸田建設から） 戸田建設のUです。
先日、お電話でやりとりさせていただきましたが 五島市内にてお会いし、先日お送りした書面（弊社の見解や対応）
について、ご説明したいと思います。
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このあとに続いて、面談に際しての希望が書かれていました。
まとめると以下の４点です。
①面談への参加者の名前を教えてほしい
②面談は非公開としたい
③第三者として五島市に立ち会ってもらうつもり
④面談候補日を３つ挙げるので選んでほしい
（時間帯はすべて平日の１３：３０～１５：００）
この４つを目にして、いかがでしょうか。驚くべき先方の希望です。
私たちは翌日２／１４日、次のような回答をしました。
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(2019.2.14：戸田建設への回答） 戸田建設 U様 標題の件、ご連絡ありがとうございました。
まずは下記、回答させていただきます。
①面談の日時について
>第１希望 ３月５日（火）13：30-15：00
>第２希望 ３月６日（水）13：30-15：00
>第３希望 ３月12日（火）13：30-15：00 >※場所は、いずれも 福江文化会館会議室の予定
日取りで申しますと、時間帯にもよりますが、私は３／１２はあまり都合
がよくありませんので、３／５か６でしょうか。いずれにせよ、島外在住 者を含む関係者の都合を確認する都合がありますので、すぐには回答 できません。 また、上記のご希望時間帯は全て平日の日中ど真ん中となっています。
皆さんは仕事でしょうからその時間の都合がよろしいかと思いますが、 こちらは一般市民です。リタイヤ世代等でなければ、このような時間帯 に参加することは、常識的には困難と思います。１８時以降とか、私た ちが無理なく出席できる時間帯を再考していただくよう、お願いします。 ②第三者の立ち会いについて
＞第三者として、五島市に立会をお願いするつもりです。
ご冗談が過ぎるのではありませんか。
五島市はまぎれもない利害関係者であり、第三者にはなりえません。た
だ、推進側の当時者として、必ず面談へは出席してもらいたいと思いま す。関連して、ひとつ提案があります。同席するに適切な第三者として、 長崎県環境政策課がよいのではないかと思います。なんでしたら、こち らのほうで先方に打診しますけれども（※その後、長崎県環境政策課は 推進側と思われたので、この案は撤回しました）。 ③面談の公開について
＞その上で、我々事業者側（戸田建設とニュージェック）と
＞非公開の会合とさせてください。 これは意外に思ったのですが、非公開を希望される理由はいったいなん
でしょうか。御社の回答書面には企業秘密等が出ているわけでもなく、 公開してまずい内容など、何もないと思います。
五島市沖洋上風力発電計画について私たちを含む複数の団体から意見
書が出されたことは、複数の地方紙やローカルテレビが報道しました。そ の後どうなったのか、あるいは今後計画がどう進むのかというのは地域 住民の大きな関心事です。ですので、ぜひメディアにも公開されるべきで あると思います。そもそも、面談をオープンで行うことは、御社にとっても プラス面が大きいのではありませんか？突きつけられた意見に対して戸
田建設は誠実に対応しているという姿、積極姿勢を伝えることもできるは ずです。その点、「非公開」では、人々の受ける印象はどうでしょうか。 ぜひ、公開をご検討下さい。オープンな場で、お互いに有意義な面談を
「共催」いたしましょう。 まずは取り急ぎ上記３点、ご検討いただければと思います。
日取りについては関係者で調整していきますが、前述の通りで、
しばらくお時間いただきます。
よろしくお願い申し上げます。
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参加者の名前を教えろというのはどういうことでしょうか。ブラックリストでも
つくろうというのか、事前に私たちのことを調べて、弱みでも握っておこうと
でもいうのでしょうか。常識外れの希望です。
また、非公開というのもありえないと思います。自分たちのやっていること
によほど自信がないのか、後ろ暗いことでもあるというのか。
また、計画の推進者である五島市（再エネ推進室）を「第三者」とするのに
は思わず吹き出しました。厚労省の不正統計問題の調査で、身内を”第三
者”と偽っていたことが話題になったこのタイミングで、よくもまあ恥ずかしげ
もなく、このようなことを言えるものだと思います。戸田建設は面談の場所
として福江文化会館会議室を挙げてきましたが、これはおそらく、彼らのサ
ポーターである五島市再エネ推進室から出てきた案でしょう。戸田建設は、
今回の面談の件を五島市と相談のうえで進めていると思われます。
そして私たちの回答に対し、一週間後の２／２１日、戸田建設からの返事
がありました。
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(2019.2.21)
○○様
先日来、いただいたメールの内容を踏まえ、社内で検討した結果、「戸田 建設は、メディア（マスコミ）が同席する面談はしない」ことになりました。 そこで、当事者同士、すなわち事業者（戸田建設・ニュージェック）と意見
者で面談を実施するということでいかがでしょうか。 ＜事前に出席者と人数を教えてください、後日、場所などの詳細を
お知らせします＞ 宜しくお願いします。
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戸田建設は、あくまで「非公開」を社内で決定したというのです。非公開の
理由については答えがありませんでした。彼らの送ってきた回答書には多
くの疑問箇所があります。自分たちでも、追求されたら申し開きができない
可能性をわかっているのでしょう。それを公開の場でメディアに見られたり、
報道されては困るというわけです。いや、そもそも、この計画に異議の声が
上がっていることをなるべく知られたくないのだと思います。
しかし、彼らは五島の自然景観や生態系に重大な影響をもたらすかもしれ
ない事業を行おうというのですから、島民に対する説明責任を放棄すること
は許されないのではないでしょうか。私たちは４日後の２／２５日、戸田建
設に対して次の回答を送りました。
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(2019.2.25) U様 前略 ○○です。面談の件にて下記、回答させていただきます。
>先日来、いただいたメールの内容を踏まえ、
>社内で検討した結果、
>「戸田建設は、メディア（マスコミ）が同席する
>面談はしない」ことになりました。
再度お聞きしますが、公開の場を拒む理由は何でしょうか？御社の計画
する五島市沖洋上風力発電は、当地にとって重要な財産である自然生 態系や景観を大きく損なう可能性をがあるものです。送付いただいた回 答書の内容は、十分なものではありません。五島にすむ私たちにとって 重大な影響を持つこの計画について、皆さんは説明する責任があります。 メディアを入れたオープンな場での面談を再検討されるよう、お願いします。 繰り返しますが、皆さんには全五島市民に対して説明責任があります。メ
ディア公開はそのための重要で当然の方法です。（そもそも、こうした説 明の場は本来、意見書を出した４団体全てに対して同一の機会がもたれ るべきものと思いますが） >事前に出席者と人数を教えてください
人数はともかく、出席者を事前に知りたいというのはどうしてですか？理
由をお聞かせ下さい。そのようなことは基本的に「非公開」ですけれども。 現状では日程フィックスが先行していますが、面談の仕方についての合
意のほうが先であろうと思われます。場合によっては日取りの件も再設 定を視野に入れましょう。 以上、どうぞご検討下さい。
よろしくお願いいたします。
草々
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五島の海で巨大な開発事業を行おうというのに、こうした姿勢はいかがなもの
でしょうか。住民への説明は当たり前であり、条件をつけるなどもってのほか
です。
しかし、少し不安がよぎってきました。このままでは戸田建設も私たちも条件
面でお互い妥協せず、膠着状態になってしまうかもしれない。
そこで私は思いつきました。「五島市再エネ推進室」に行って話をしてみよう
かと。私はさっそく電話をかけ、面会のアポを取ったのでした。
(2019.3.11)