景観問題がありますので、あまり外から見えないところが候補となります。
そこでは、考え得るあらゆる土木工事を行ってよいこととします。道路も縦
横無尽に造ってよいし、盛り土をして分厚いコンクリートで固めてもよい。
砂防ダムだってトンネルだって作ってOKです。とにかく、どんな土木工事も
自由に行える場所を創設し、これを「土建場（どけんじょう）」と名付けます。
その代わり、「土建場」以外では自然破壊度が高い土木工事、無意味な河
川改修や無駄な圃場（ほじょう）整備は
一切、禁止とします。
確かに本当に必要な公共工事はあります。ただ、福江で行われている工事
の全てがそうとは思えません。福江だけではなく全国どこでもそうですが、も
っともらしい理由をつけながら、実際は不要な公共工事が相変わらずたくさん
行われています。
そこにはいろいろな利権があるからですが、そこに回されたカネは土建屋の
親分だけでなく、一部は地元に還元されるのも事実です。仕事のない五島で
すから、それがなくなったら食っていけなくなる人も出てくるでしょう。ただ、五
島の公共工事は多くの場合、恐るべき自然破壊工事になっています。本当
は財産である自然の価値が島民に認識されていないので、行政も事業者も
次々と自然破壊を進めてしまっています。私が福江の子どもだった頃から何
十年も続いてきた悲しき風景…。
そこで私が提案するのが、上記の「土建場」です。
土建場は、いわば無駄な公共工事を消化するための場所です。道路でもコ
ンクリ護岸でも自由につくり、終わったらまた壊し、次年度にはまた新しい道
路や護岸をつくる。これならば島内の自然破壊はほとんどなくなりますし、税
金の再分配もできますし、役所の関係部署も仕事を失わずにすみます。な
んと一石三鳥の、この上なく素晴らしい提案、いや、発明！と言ってもいいで
しょう！
五島市・長崎県の行政関係者・有力者に提案いたします。
福江島に、この画期的な「土建場」を創設することを。
え？そんなバカバカしいものは作れるわけがない、そんな無意味な工事をし
て何になるのかですって？
そうですか？
本当は不要な「工事のための工事」で自然（財産）を失っていくほうが、よほ
ど愚かなことですよ。それがない分だけ、一見馬鹿げたこの提案のほうが優
れていると思いますが、いかがでしょうか。アホらしいですが「土建場」でもな
い限り、無駄な自然破壊工事は島をむしばみ続けるのではないでしょうか。
…いや、ひょっとすると、すでに島全体が「土建場」になっているのかも？
(2011.2.20記）