困難を極めているようです。なにしろ現場は非常に放射線が強く、わずかな時間しか
作業できないわけです。
事態収拾までいったいどれぐらいの月日がかかるのか、想像できません。
ということで、昨夜ドイツ気象台（DWD…ドイツ気象局、ドイツ気象サービス）のサイトに
驚くべき予報が出ていましたので、緊急にご紹介します。検索なら「DWD」で出てきます。
http://www.dwd.de/
上記サイトのトップページを下にスクロールしていくと、福島原発から出ている放射性物質が
どのように拡散していくかのシミュレーションが出ています。
当然ドイツ時間だと思いますが、下記４／５では汚染物質が日本の南部に広がります。
そして４／６の予報では、西日本の大部分を覆う形が示されています。
そして五島列島もその中に入るのです（オリジナルサイトでは図はもっと鮮明で、
拡大もできます）。
これはあくまで一つの予報と過ぎないと言えばそうですし、ドイツがどのような情報を
もとにこのシミュレーションをしているのかはわかりません。ので、実際に必ず
こうなるとは限りません。天気予報と同じです。
また、福島から五島への距離は軽く１０００キロを越えていますから、
九州に届いたとしてもずいぶん薄まっていることでしょう。
ただ、忘れてはならないのは、少なくとも今後数ヶ月は
新たな放射性物質が福島原発から放出され続けるだろうということです。
ということは、現実として、いずれ放射性物質は五島にも届いてしまうだろうということ。
とても低い値ではあるでしょうけれど。
そしてもう一つ重大なことは、日本政府はこのようなシミュレーションを私たちに
公開していないということです。システムとしては持っているのですよ。
「ＳＰＥＥＤＩ(スピーディ…緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム）」という
シミュレーションシステムで、（財）福島県原子力広報協会のHPによれば次のような
説明がなされています。「原子力施設で事故が発生し、放射性物質が放出された場合、
周辺環境にどのように広がるかを地形や気象を考慮し、すばやく予測するコンピュータ
システムです。」
ただ、こんなものを持っていながら政府はなかなか予測結果を公開しませんでした。
批判を浴びてようやく出したのが３／２３日で、しかもこの一回だけです。
これではいったい何のためにつくったのか…。おそらくパニックを恐れて公開しないことに
しているのでしょうが。今日４／４付のネットニュースでは、やはり日本でも１１日以降、
気象庁がシミュレーションを行っているにも関わらず、結果を公表していないのだそうです。
こんなことだから、外国が発表している情報を参考にせざるをえないわけです。
非常に馬鹿馬鹿しく、残念なことではありますが、いま政府が言っていることを
うのみにしていたら、避けられる被爆も避けられません。
（※4/4夜、枝野官房長官が気象庁に予測結果の公表を命じたとの報道がありました。
市民からの批判や要望が多数寄せられたと思われます）
いずれは五島にも、わずかではあれ福島由来の放射性物質が届くでしょう。
無視できるほど微量でしょうから、取り立てて騒ぎ立てる必要は全くないと思いますが、
これを機会に今後、警戒しておくべきではないでしょうか。
４／６前後は、外出時にマスクをするとか雨に当たらないとか、そのぐらいはしてもいいかも
しれないですね。予報が外れたとしても、いざという時の予行演習にはなるでしょう。
４／４現在、原発事故の収束の目処は全くたっていないのですから。
DWDの予報のことは五島市役所にも参考までに伝えました。念のため。
(2011.4.4記・4.5加筆）