以前住んでいた島ですからUターンということもできますが、１０歳まで
暮らした場所にすぎないと考えれば、移住に近いのかもしれません。
それまでも、１～２週間の滞在を年に何度か繰り返してはきましたが、
実際に住んでみると、短期滞在では見えてこなかったもの、子ども時代
は気づかなかったことを知ってビックリすることがあります。今回はそん
なことを、少し書いてみます。
①コピー代が高い！
福江島はコピー代が高いです。内地ではコンビニ等での白黒コピーが
一枚１０円というのが標準で、近年ではスーパーなどに５円コピーもよく
見られるようになっています。が、福江島ではA４一枚が２０円ほどとい
うのが相場です。もともとコピー機を置いている場所というのが少なくて、
島内のコンビニ数軒、および一部の文房具店ぐらいにしかありません。
私は、ある本の一部をコピーしようとしてコンビニに行ってビックリしまし
た。何カ所か回ったのですが、A４一枚が２１円とか、そんな微妙な値段
の店もありました。１００枚コピーしたら、東京なら５００～１０００円。福
江島では２０００円～です。ということで、結局自宅のプリンタのコピーで
ノロノロと作業したのでした。
②ガソリンが高い！
ガソリンは高いです。離島ですから、少なくとも輸送料金が上乗せになる
のですね。２０１６年初めのニュースで、首都圏ではレギュラーガソリンが
リッター１００円を切った店があると報じていましたが、同じ頃、私が入れ
ているスタンドではリッター１５１円でした。セルフでこれですから、有人
スタンドならもう何円か高いということですね。
③ガス代が少し高い！
東京では都市ガスでしたが、離島の福江島ではプロパンガスになります。
料金を見ると、なんとなくですが２割ぐらい東京より高いイメージです。
④なぜか人気の歯医者の謎！
私は滅多に歯医者に行かずに済んでいますが、昔の詰め物が取れたり
した時には行かざるをえません。福江に移住した２０１４年にもそんなこ
とがありました。それで、どこの歯医者に行こうかと迷ったあげく、市街地
で看板を見かけた某歯科に電話をしました。「詰め物が取れたので…」と
いうと、対応の女性曰く、「予約は可能ですが、うちは予約がとても多い
ので、早くても２週間先になってしまいますが、それでもよろしいですか」と。
そして最初の治療のあと、次回も「２週間先しか予約が難しい」が目安な
のだというのです。これまでの人生で、これほど先まで予約が満杯という
歯医者は初めて…仰天しました。大都市のカリスマ（？）歯科医ならとも
かく、なぜこの福江島で、そんなに歯医者が混んでいる？？？？
結局予約はしませんでした。それで、少し前に知り合いになった他県から
の移住者M氏に、どこか歯医者を知らないかと聞いてみたのです。すると
M氏は４件ほどの情報を教えてくれました。その中に、私が電話した予約
殺到の歯医者も含まれていました。ただ、その歯医者については「予約
時間に子どもを連れて行ったら、治療まで４時間待たされた」と聞いて再
び仰天。結局、「予約も取りやすく、治療も早く、悪くない」と聞いたある歯
科医に行き、無事に詰め物を付け直してもらいました。
それにしても、４時間も待たせたりするのに２週間先まで予約が取れない
歯医者。私はそれが妙に気になって、ある島内の知人女性にその話をし
たところ、「今、まさにそこに通っている」というのです。そして、「５時間待
たされた」と平然と言いました。聞くと、そこでは、予約の時間になるとと
りあえず診察室に通され、寝台に寝かされるそうです。治療する歯科医
は一人しかいないようで、患者は寝台で、自分の番が来るのをひたすら
待たされるのだということです。どうやって４時間も５時間も待つのかとい
うと、各診察台にはテレビがついていて、それをずっと見ているのだと。
なんという体制かと三たび仰天。そんなに待たされてまで、どうして大勢
の患者がその歯科医に行くのか、その異常な人気の謎はまだ解けてい
ません。私にとっては、人生の時間の無駄ですので、そういうところには
絶対行きませんけど…。
★床屋は男でも要予約？
私は大学生の頃から、行きつけの床屋というのを特に決めずにきました。
どこかに出かけた先で、フラリと床屋あるいは美容院に入って切ってもら
うという感じです。東京にも２０年いましたけど、基本的にそんな感じでした。
というわけで、福江でもそれをやりました。ある床屋に入ってみたのです
が、「今日は予約がいっぱいなんですよ」と言われました。ああ、そうなの
？ということで、別のところへ。すると、そこでは入れました。そして、私よ
り１０以上若いと思われる理髪師に、「さっきは別の店で予約が一杯と言
われたのだが」という話を振ってみました。すると、「ふつう、予約をします
よ」というのです。「東京なんかでは、なおさらそうですよ」と。イヤイヤ、俺
は東京に２０年いて、予約なんか１回もしたことないけど？もちろん、時間
がかかる女性なら当然だろうけど、男だぜい？というと「はあ」という感じの
素っ気ない反応でしたが、理髪師がいうには、今日もたまたま予約が入っ
ていなかったから良かったが、通常は当日いきなり来られても難しいのだ
といいます。かくして、今、私は仕方なく予約してから床屋にいくのです。希
望日時を言っても、「そこは予約が入っています」ということもあるので、め
んどくさい…。私はいきなり行って、マンガを読みながら待つほうが性に合
います。ちなみに他県の知人に聞いたところ、予約して行くといいます。
「そのほうが時間の無駄がないでしょう」。なるほど。確かにおっしゃる通り
なんですけどね！歯医者の予約は面倒ではないですが、床屋の予約は
面倒くさい。なぜそう感じるのか、自分でもよくわかりません。
ということで、Uターンショックの一部でした。
(2016.1.19)