コウノトリが飛来しているようだというのです。
コウノトリは翼を広げると２メートルにもなる大形の鳥で、かつては日本に
広く生息していましたが、その後、国内の野生個体群は絶滅してしまいま
した。
ですから、コウノトリがやってきたとすれば、大陸の野生個体か、あるいは
兵庫県豊岡市で人工増殖されて放されたものか、どちらかであろうという
ことになります。
知人のもとに届いた撮影映像では、脚に標識がついていなかったという
ことで、大陸からの野生個体と思われます。
今ならまだ滞在しているかもしれない、とのことで悪天候の中、その姿を
探しました。そして、なんとか見つけることができたのです。
(2015.2.4）
水の抜けた水田にたたずんでいたのは、間違いなくコウノトリです。
アオサギより２まわりぐらい大きい感じです。５０メートルほど離れて観察
しました。やはり足輪はついていませんので、大陸からやってきたので
しょう。
風が強いのと、雲が厚くて暗かったため、撮影的にはいまいちになってし
まいました。
いずれにせよ、野生のコウノトリが飛来することは全国的にも珍しいこと
です。これが内地であれば、連日野鳥カメラマンや見物客が無数に押し
寄せ、大変なことになるでしょう。幸か不幸か、ここは離島なのでそういう
ことにはならないでしょう。たぶん…。
福江島にコウノトリが飛来した記録は、過去２例ほどあるようです。
一つは、正確な年月日は不明ですが２０年ばかり前（１９９０年代？）、岐
宿町の川原奈切地区に一羽が飛来したと言います。
もう一つはごく最近の2014年12月です。12月12日に富江町・琴石地区で
住民に撮影され、12月19日の長﨑新聞の地方欄に載りました。この時の
写真では足に標識があるかどうかわからず、野生個体なのか豊岡からの
ものか、不明だったのです。この時は、私も島内を探し回ったのですが、
見つけることはできませんでした。ただ、同じ時期に島内の鐙瀬地区でも
目撃情報があったそうです。
なお、兵庫県豊岡市で育てられ、野外に放たれたコウノトリは、五島列
島北部の小値賀島に飛来したことがあるそうです（2008年10月24日）。
コウノトリを探す中、地域の方ともいろいろ話す機会があったのですが、
ツルだと思っている人もいましたし、コウノトリであることを知っていて、もう
結構長くいるように思うけど…という方もいました。少なくとも1月中から滞
在している可能性が高いです。
コウノトリが飛来していることは、小学生たちも知っていました。
いつまでいてくれるか全くわからないのですが、できればもう少し天気が
いい日に、写真とビデオを撮りたいと思っています。1日でも長く滞在して
いただきたいところです。
(2015.2.10)
(2015.2.12追記）
地域の方が去年12月29日に撮影したコウノトリの写真を見せてもらいま
した。もしかしたら、12月からずっと島に滞在しているのかもしれません。