(2012.9.21：玉之浦町大瀬山）
2012年9月下旬、ハチクマの渡り観察のために大瀬崎に通っていました。
ある日の午後、福江方面に戻ろうと大瀬崎の坂を下っている時、沿道の
サクラ（ソメイヨシノ）に白い点がポツポツとあるのに気がつきました。
車を降りて近づいてみると…なんと、白く見えたのは花だったのです。
今は秋。いったいどういうことでしょうか。
数日見ていると、さすがに満開にまではなりませんでしたが、ポツリポツリ
と花は開き続けていました。1本だけではなく、沿道にあるソメイヨシノの多
くで開花が見られました。これは、台風による影響なのかもしれません。
また別項でも書きますが、2012年の夏から秋にかけ、福江島の木々は大
型台風によって大変な被害を受けました。大瀬崎の道沿いに植えられて
いたソメイヨシノも少なくとも２本が根元から倒れ、他のものはほとんど全
ての葉を飛ばされて失いました。
島内在住の知人に話したところ、大瀬崎のサクラは過去にも、台風でダメ
ージを受けた後に開花するということがあったそうです。
（2012.10.17：福江市街：外濠公園）
その後、私は島内のいろいろな場所で開花したソメイヨシノを見ました。
例えば、福江港に近い外濠公園。鬼岳山麓、火ノ岳頂上。 富江町の海岸
沿いなど。
（2012.10.22：富江町・さんさん富江キャンプ村そば）
おそらく、全島的な異常現象といえるのではないでしょうか。
今のところ、私が知る限りはソメイヨシノなど植えられた種類に見られ、野
生のヤマザクラは開花していないように思えます。
巨大台風の直撃によって、人間でいえば重傷を負った木々。それらが示
す、一種の防御反応のようなものなのでしょうか。生命の危機に、持てる
エネルギーを一気に放出しているのでしょうか。そのメカニズムも含め、
詳しいことは私にはわかりません。
しかし…9月から一ヶ月以上も続いている開花はいつまで見られるのでし
ょうか。また、来春の開花はいったいどうなるのでしょう。
果たして、通常通りに花を見せてくれるのか。
それがまた、興味深いところではあります。
(2012.10.23記）