五島ダイビング事情 08

福江に新ショップ誕生！
2008年4月、福江島で３軒目となるダイビングショップが誕生しました。「マリンサポート五島海友」、
福江島では初めて若手が経営するショップです。メインのスタッフ二人は福岡などのダイビングシ
ョップで経験を積んできた福江島出身者。ポイント開発にも積極的で、ウミウシなどを探すことも
得意なガイドもいます。今後の発展を大いに期待したいものです。
ということで、五島列島のダイビングショップは私が知る限りで下記の５軒となりました（２００８年）。

福江のビーチダイビングはまだ遠いのか
2008年の4月と8月、新しいショップ「五島海友」にお世話になりました。
4月はまだショップの建物も建設途中という状態でしたが、福江では初めての
ビーチからのダイビングを経験することができました。しかし…ある場所の海
岸で潜ろうとしていたところ、漁協の関係者であるという人が現れ、「何をして
いるのか」ということでしばらくショップのガイドが話をしました。その結果、潜
る寸前で準備をやめ、漁協まで行って、話をすることになりました。ショップと
しては漁協の上のレベルに話はしてあったらしいのですが、田舎のことです
から、それが末端に通っていなかったようでした。それで、結局、その日は潜
れないということになってしまったのです。「ウニや貝を捕るわけではない。魚
を観察し、写真を撮るだけだ」と説明してもダメだというのですから、全く残念
なことです。とはいえ、海は別に漁協のものではありませんし、私たちが漁業
権を侵すわけでもないのですから、
本来、漁業におうかがいをたてる必要はないはずです。しかし、地元の人々と
うまくやるということも大事なことなのです。レジャーダイビングへの理解がまだ
乏しい五島の漁業関係者に、少しずつわかっていってもらわねば、福江島での
ビーチダイビングは難しいでしょう。まあ、一つ付け加えておかねばならないの
は、漁協も別にむやみに強硬な姿勢をとっているのではないようなのです。ど
うやら過去、ダイビング関係者と何度かトラブルがあったようなのですね。だか
ら、「前にこんなことがあったもんだから…」という部分があるらしいということを
記しておきます。
ビーチからのダイビングは、燃料代高騰の昨今にはショップとしては助かるで
しょう。さらに、ダイバーとしても安上がりとなりますので、島内ダイバーも増える
余地ができるのではないでしょうか。ビーチポイントがあると、しょっちゅう入るこ
とができるようになるので、海の情報がどんどん蓄積されていきます。そんな意
味からも、ぜひともどこかのポイントを解放してほしいものですね。まだまだ時間
はかかるでしょうが…。私が子どもの頃、21世紀といえばすごい未来的な印象で
した。でも、実際はこんなものなんですよ（笑）。甘くないです。

不況とダイバーと割高交通費
100年来の不況、と騒がれています（09年1月現在）。
私の友人や知り合いには会社が倒産してしまったという人もいますし、細々と個
人事業を営む私としても心配なところです。が、さらに、世の中の不況は観光業
にも大きな影響を与えるでしょう。五島もきっと、それなりのあおりを食らうのでは
と心配しています。ダイビングというのは、かなりぜいたくなレジャーであるという
ことができるでしょう。知らない人のために申し上げておくと，通常はボートダイビ
ングを一日（タンク２本）行うと１２０００円〜１５０００円ぐらいかかります。島外か
ら訪れるとすれば、それに交通費と一日あたりの宿泊費・食費がかかるわけです
から、結構な経費がかかるものだということがわかるでしょう。

１９９２年からダイビングを続けている私の印象では、ここ近年は２０代のダイバ
ーが非常に少なくなりました。小泉政権から顕著な傾向ですが、若者や収入の
少ない層から金をむしり取り、大金持ちの利益を増やすということが行われてき
ました。その結果として、ダイバーは減っているように思うのです。
さらに、五島列島に行くには交通費が非常に割高なのがつらいところです。正直
、沖縄へのパックツアーのほうが安いと思います。これでは、リピーターを増やす
のはなかなか難しいかもしれません。

さらに、五島市の観光関係者もダイビングを盛り立てようとする気配がどこまであ
るのか。０７年は観光協会がダイビング雑誌に広告を打ったりしましたが、それ以
降は動きはないように思います。
せっかく芽生えた五島のダイビングの芽を枯らさないようにしたいものです。
私も客としての努力が必要ですが…。
(09.1.19記）