五島ダイビング事情 09

福江はいまだダイビング未開の地…

福江島のダイビングショップは、私の知る限り現在３軒。
一番新しいショップも開店して一年以上を経過しました。夏休みや、９月の連休
には大勢のダイバーが訪れた様子です。

ただ、福江島のレジャーダイビングの発展にはまだまだ時間がかかりそうだな、
と思っています。この９月（２００９）に久々に福江で潜ったのですが、つい最近
も漁業者とのトラブルがあったということでした。ずっと前からダイビングポイン
トとして潜られている立島という場所があるのですが、そこへの潜水中、地元の
漁業者がやってきて、「あとで来い！」というようなことを言ってきたそうです。
名前も名乗らなかったそうですが、なんとか探し出して訪問したら酔っぱらって
いて正気ではない状態だったので、仕方なく引き上げたところ、その後に「なぜ
来ないのか」と文句を言ってきたそうです。「行ったが、酔っぱらっていたから戻
ったのだ」というと、「そんなことは関係ない」とのたまったとか…。
「お前たちが潜るから網に魚が入らない」と主張するそうですが、ダイブショップ
によれば、そこに網を入れているのは一度も見たことがないといいます。要する
に、ごくごく狭量なナワバリ意識ということですね。
また、これは複数のダイビングショップから聞いていますが、ダイビングポイント
に目印として設置したロープを「何度切られたことか…」と言っていました。これ
も一部漁業者によるものです。私は漁業者を一方的に悪いとするつもりはあり
ません。ただ、その行動の一部は決して肯定できませんし、これだけは言えます
。海は漁業者だけのものではありません。

しかし、過去にはダイビングショップ側の起こす問題もいろいろとあったようで、
そのせいもあって福江ではダイビング業者と漁業者の信頼関係がまだ構築され
ていません。この点では、上五島のほうがずっと進んでいます。上五島エリアで
はダイビングに対する地域の認知度がずいぶん上がっていて、少なくとも私は
ダイビングポイントで漁業者とトラブルになった経験はありません。しかし、上五
島のショップ「ナイスばでぃー」によれば、それにも１０年かかったといいます。怒
られて、怒られて、の繰り返しでようやく理解され、認められてきたというのです。
10年後…の福江では、もっと自由に潜れるようになっているでしょうか？

今後要注意！のショップ選び
最近、よくない噂を耳にしました。自分で確認したわけではないので、１００％の
情報ではないですが、福江のダイビングショップの中には無資格者をガイドとし
て使っているらしい悪質なショップがあるようです。
無資格者というのは、ＰＡＤＩとかＮＡＵＩといった民間のダイビング指導団体のイン
ストラクター（やダイブマスター）といった資格、あるいは国家資格である「潜水士」
を持たずに潜水業務を行っている者のことです。法的には「潜水士」資格を持っ
ていれば違法ではありませんが、通常のダイビングガイドは「潜水士」の資格と
同時にダイビング指導団体に所属し、各団体のインストラクターやダイブマスタ
ーといった資格を持っています。
ダイビング指導団体のイントラなどでないということは、例えば、客に重大な事故
、あるいは事故につながる状況があった時、それに対処する教育を受けていな
いということを意味します。また、事故があった場合の保険にも加入していないと
いうことにもなります。
噂が事実であれば、論外です。悪質業者として駆逐しなければならないと思いま
す。自分で事実を確認していれば名指しで書くところですが、現状では、福江で
ダイビングをしようとしている皆さんに警告だけ発しておきます。ただ、こうしたこ
とを書く以上は私にも責任がありますから、直接私にお尋ねいただいた方には、
それがどのショップであるかお知らせしなければなりません。
ちなみに、そのショップは以前に私も利用したことがありますが、当時も、「この人
はおそらくインストラクターやダイブマスターではないな」と思われる人を複数、ガ
イドとして客を引率させていました。
福江の他のショップや観光業者にとってもただ事ではないはずです。何かあった
ら、島のレジャーダイビングどころか、福江島の観光全体にとって著しいイメージ
ダウンですから。五島市の商工観光課さん、五島市観光協会さん、調べた方が
いいのではないですか。
人身事故が起こったらどうしますか？



やれやれ、全く…という感じの2009年ダイビング事情でした。
(09.10.10記）