水中写真家・中村征夫氏が見た福江の海

日本で最も有名な水中写真家といえば、中村征夫（いくお）さんではない
でしょうか。気さくな人柄もあってか、雑誌やテレビ番組のゲストとしても
よく目にする方です。
その中村征夫さんは、実は1995年、撮影のために福江に来島したこと
があります。そのことは、当時中村さんのサポートをした福江のダイビン
グショップから聞きました。
その時撮影した写真は、雑誌「アサヒカメラ」に掲載されたということだっ
たのですが、だいぶ時がたっている上に雑誌であるため、入手が非常
に困難です。が、2006年に東京の図書館でそれを見つけ、中村さんが
五島で撮影した数枚の写真をようやく見ることができました。全てモノク
ロ写真でしたが、今、その雑誌のコピーをどこに置いたか忘れてしまった
ので、詳しいことを書くのはまた先で…ということにします。

さて、それでも話は続きます。
去年（2006年）の夏から今年にかけ、東京都写真美術館ほか全国数カ所
で中村征夫さんの写真展「海中2万7000時間の旅」が開催されました。私
は平日に行ったのですが、夏休み中ということもあってか会場は大変にぎ
わっていました。



そして、展示写真の中に、福江で撮られた一枚があったのです。アオリイ
カ（五島名ミズイカ）をモノクロで撮影したものでした。

説明には
「アオリイカ　海藻にまぎれるように隠れている。真上からみる姿かたちは
とてもユニークだ　五島列島・福江、長崎県　1995年10月」
とありました（写真展図録より引用）。
福江の写真が出ていることで、思わず図録も買ってしまいました。
会場には中村征夫さん本人がおられ、図録購入者にサインのサービスを
していました。私にも、魚の絵とサインを書いてくれたのですが、その時に
少し話しかけてみました。

「五島の福江で撮った写真がありましたね。私は実はそこの出身なので、
（福江の写真が展示されていて）びっくりしました」

「そうですか。行ったのは、もうずいぶん前ですけどね…」

それ以上は会話は進みませんでしたが（笑）、また五島にも来てみていた
だきたいものですね。なお、中村さんの「海中2万7000時間の旅」は写真集
としても売られています。大きい本屋なら、見つけることができるかもしれま
せん。
(2007.11.10記）