水面に漂ってカムフラージュ
マツダイ 松鯛　（マツダイ科）
Lobotes surinamensis

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(2013.8.21：富江町土取：水面下）

★分布：南日本、太平洋、インド洋・大西洋の温帯・熱帯海域、地中海　　　
★大きさ ：１メートル

成長すると１メートルにもなる魚ですが、観察のチャンスが多いと思われる
のは、幼魚です。写真のものは富江湾の岸近くで見つけた、大きさ２セン
チほどのもの。水面下に横たわって浮いていましたが、これがマツダイの
幼魚の特徴です。写真は水面下のものを、真上から見下ろして撮ってい
ます。流れ藻に付いていたり、港の水面で見られたりするのですが、横た
わるように浮くのは、枯れ葉などに擬態しているのだと言われています。



浮いているとはいえ、泳いでいないということではありません。撮影しよう
と近づくと、いつのまにか移動していくのです。尾びれや胸びれは透明で
写真ではわかりにくいとは思いますが、こうしたヒレを密かに動かしている
のでしょう。また、写真をみてもおわかりの通り、目は、真横（この姿勢で
は真上）を向けているわけではありません。



刺身や塩焼き、ムニエルなどにするとおいしい魚だそうで、高級魚の類に
入るようです。五島でも売っていることがあるかもしれません。
幼魚を水槽で飼育すると、横たわって浮くのをやめてしまうらしいです。
水槽には外敵がいませんから、擬態をしないですむようになれば、やめる
ということなのでしょうか。もしかすると、この擬態生活は結構な労力が
かかっていたりするのかも…？
(2013.11.3)