オスは口の中で子育てする
ネンブツダイ　念仏鯛（テンジクダイ科）
Apogon semilineatus

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(2007.7.28:中通島・三ツ瀬・水深15ｍ）

★分布：本州中部以南、台湾、フィリピン　　★大きさ：1０センチほど

磯や漁港の岸近くから、水深２０ｍ近くまでで見られる小さな魚で、大群を
つくっているのが普通です。地味な魚ですが、非常に面白い生態で知られ
ています。夏の繁殖期になるとペアで暮らすようになり、オスはメスが産卵
した瞬間に、口で受け取ります。そして卵がふ化するまで一切ものを食べ
ず、口の中で卵を守り続けるのです。卵を守っているオスは、アゴが少し
外れたように大きくなっているので、すぐにわかります。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(2007.7.31:中通島・青木・水深３ｍ）

五島には数種類のテンジクダイの仲間が見られますが、その中で一番多
いのがクロホシイシモチで、その次がこのネンブツダイでしょうか。
両者ともたくさんいるので、ダイバーにはほとんど無視されがちな魚ですが、
その大群はオスの献身的な子育てによって支えられているのでしょう。

(2007.10.3記）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　