秋の山野を覆い尽くす
クズ　葛（マメ科）
Pueraria lobata

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(2008.9.19：玉之浦湾）

★分布：北海道～九州　　★花の時期：８～９月
★花の大きさ：２センチほど

秋の七草の一つとして知られ、夏から秋にかけて山野の至る所で紫色の花が目に付くようになります。
一つの花は２センチほどですが、それが集まって房状になるので、大きく目立ちます。

福江でも普通に見られ、日当たりの良い場所で、猛烈な勢いでツルを伸ばします。
その成長力は野原や木々をマントのように覆い尽くしてしまうほどで、
上の写真も、海沿いの木に覆いかぶさってしまっているところです。

　　　　　　　　　　　　
今回撮影した時には、花はややピークを過ぎてしまっているようでした。
上品な香りがする花だそうですが、花の位置が高かったので、それも体験できないままでした。

葉はこんな形をしています。

根からとれるデンプンからは葛粉（くずこ）というものが作られます。葛粉は葛餅や
葛切りをはじめ、様々な用途に使われる高級の食用粉です。近年の健康ブームで注目も
浴びているようですが、国内生産量は少ないのが現状のようです。
万葉集では多数の歌に詠まれているというクズ。
実は私はその一首も知らないのですが、そんなに親しまれていたものとは、
この植物がどのように詠まれているのか、調べてみるのも面白いかなと
思っています。
(2008.10.26記）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　