(2011.10.23：鬼岳山頂）
秋の陽が育む群落
ヤクシソウ 薬師草 （キク科）
Youngia denticulata
(2011.10.23：鬼岳山頂）
★分布：北海道〜九州 ★花の時期：９〜１２月 ★花の大きさ：１．５センチ
日当たりのいい山地などで見られるキクの仲間です。花は直径１．５セン
チほどと大きくはありませんが、大きな群落をつくるので目立ちます。鬼岳
の山頂付近をめぐる山道では数メートルに渡って群生する場所があり、
見事です。
群落の一部だけを切り取ってみると、同じキク科のオニタビラコなどによく
似ています。葉は茎を包みこむようにつきます。私は試したことはありませ
んが、葉を傷つけると白い液が出るらしいです。
福江では鬼岳の山頂方面ほか、林道沿いや空き地などで見かけます。
花は日が照っている時にだけ開きます。天気が悪い時は花は閉じ、うなだ
れています。黄色のじゅうたんが一面に広がるような光景は、いつでも見ら
れるわけではありません。風はすでに冷たくとも、生きものに活力を与える
秋の陽射しの賜物なのです。
(2011.11.28記）
参考文献 「山渓ポケット図鑑３ 秋の花」 山と渓谷社
「山渓 フィールドブックス 秋の野草」 山と渓谷社