変化豊かな春のラン
エビネ　海老根 （ラン科）
Calanthea discolor 　
準絶滅危惧（NT)…環境省レッドリスト
絶滅危惧�TＢ類（ＥＮ）…長崎県レッドリスト2011

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(2011.5.11：島内某所）

★分布：北海道西南部〜九州　　★花の時期：４〜５月　　★花の直径：２センチ

５月半ばのある一日。福江は雨が降ったり止んだりでしたが、そんな中で遊びに
出かけました。木の多い場所なら雨の影響も少なかろうということで、某所の林内に
いったところ、木の根元で花を咲かせていたのがこのエビネです。



エビネはよく知られたランの仲間ですが、福江で見たのはこれが初めてです。
太陽光の少ない日でしたが、雨足がとまった時に撮影しました。
ユニークな形の花は、株ごとに色彩が違うとも言われるほど変化に富むそうで、
それゆえに過去、全国的なエビネブームが続いたといいます。



各地で乱獲が相次いだ結果、以前は雑木林などでごく普通に見られたというものが、
現在ではかなり珍しい存在となってしまいました。知人によれば、福江でも非常に
少なくなっているそうです。２０１１年３月に改訂された長崎県レッドリストでも、
絶滅危惧IB類（EN）という、絶滅危険度の非常に高いものに分類されています。
ということで、撮影地は伏せておきます。

実は上のエビネを見つける前に立ち寄った山地でも、ある花を見つけていました。
それが下の写真ですが…私は、これが何かわからずに、前述の知人に写真を見て
もらったのです。すると、「エビネですね」との答え。
ああ、そうでしたか。私は、以前に見たことのあるエビネに似ていたものは
エビネとわかったのでしたが、色彩や花の付き方が異なるものは、違う植物に
見えていたのでした。



確かに、写真のアップを見てみるとエビネだったのですねえ。



また福江の山中で出会うことがあれば、ちゃんと判断できるようにしたいものです。
彼らはこれからも、盗掘を免れてくれるでしょうか。
(2011.5.22記）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

※参考文献　「山渓 ポケット図鑑１　春の花」 山と渓谷社
　　　　　　　 　「春の野草」 山と渓谷社
　　　　 　　　　
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