花はハチに似ている？
ジガバチソウ　似我蜂草 （ラン科）
Liparis krameri
準絶滅危惧（ＮＴ)…長�ｱ県レッドリスト2011

　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　(2016.5月：島内某所）

★分布：北海道〜九州、伊豆諸島　　★花の時期：５〜７月

林の中や、山中の苔むした岩の上などに生えるラン。北海道から九州ま
での広い範囲で見られるほか、海外ではロシア極東地域や朝鮮半島、中
国東部にも分布しています。
福江島でも1980年頃に記録があり、探していましたが、開花を見ることが
できたのは2016年になってからでした。

開花時の高さは８〜２５センチほど。ランとしてはやや地味な花を、通常
は５〜２０ほど付けます。花の大きさを測り忘れてしまいましたが、縦の
大まかな長さで15ミリ弱ぐらいだったかな？と思います。



色は地味でも、形は何だか人形みたいで面白いです。



名の由来は、花の形をハチに見立てたものと言いますが、それが名前通
りジガバチ類のことであるならば…このような姿をしています（写真下：サト
ジガバチ：2014.10.16鬼岳）。似ているでしょうか…。



葉はやや色あせたような明るい緑で、厚みがあります。表面には網目の
ような模様が浮き出し、葉の縁は細かく波打っています。



この葉だけは2015年に気づいていたのですが、翌年に咲いた花を見るま
で、ジガバチソウとはわかりませんでした。



2016年6月現在、国の最新レッドリストには載せられていませんが、長�ｱ
県のレッドリスト（2011）では準絶滅危惧（NT)となっています。絶滅危惧種
としては低いランクで、しかも前回2001年度版では絶滅危惧�TB類(EN)で
あったわけですから、危険度が２ランク下がったことになります。新しい産
地が見つかったり、増加傾向が認められたのでしょうか。ランの仲間とし
てはそれほど危機的な状況ではないということなのでしょう。しかし、現状
の福江島ではまだ1カ所でしか確認できていないゆえ、現段階では撮影
場所は伏せておきます。この島では希少なのかもしれませんから。



全国的には初夏の花なのかもしれませんが、福江島では開花が少し早
めのように思うので、春の花として紹介します。
(2016.6.6）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

参考資料

「日本のランハンドブック」　文一総合出版
「長�ｱ県植物誌（中西弘樹/2015）」 長�ｱ新聞社
「五島の生物」　（長�ｱ県生物学会編）
「山に咲く花」　山と渓谷社
　
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