剛毛ザラザラ
コウゾリナ　剃刀菜、髪剃菜 （キク科）
Picris hieracioides L. subsp. japonica (Thumb.) Krylov var. japonica
(Thumb.) Regal ex Herder

　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(2015.10.14：鬼岳）

★分布：北海道〜九州　　　★花の時期：５〜１０月　　　★花の直径：２〜３センチ

草地や道ばたで見られるキク科の２年草。北海道から九州までの広い範
囲に分布する、ごく普通の種類なのですが、福江島では２０１５年１０月に
初めて気がつきました。鬼岳の登山道でのことです。

高さは３０〜１００センチほどになり、春から秋にかけて直径２〜３センチ
ほどの黄色い花をたくさん咲かせます。



同じキク科のタンポポ類によく似た花の姿です。

キク科の仲間はよく似た種類が多く、区別に困ってしまうことも少なくない
のですが、コウゾリナの場合は大きな特徴があります。茎や葉に、剛毛が
たくさん生えているのです。



短い剛毛は、かたくてザラッとした手触り。肌をこすると痛いほどです。



触ると手を切るようだというので、剃刀（かみそり）に例えて剃刀菜、髪剃
菜＝コウゾリナと名が付いたといいます。まあ、見つけたら一度そのザラ
ザラ感を味わってみて下さい。



私は秋に見つけたのですが、多くの花と同時に種子も見られました。タン
ポポ類と同様、綿毛のついた種子を飛ばすのです。



全国的にごく普通に見られる種類で、福江島では過去に記録もあります
が、自分自身としてはなぜか最近まで気づくことのなかったコウゾリナ。
きっと、当地で多く見られるアキノノゲシやハルノノゲシと混同してしまって
いたのでしょう。



長�ｱ県内でも珍しい存在ではないようですが、福江島でも普通に生えて
いるものか、それともそれほど多くないのか、今後の観察で明らかにでき
るでしょう。
(2015.11.9）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

※参考資料
「山渓ポケット図鑑２　夏の花」　山と渓谷社
「山渓フィールドブックス　夏の野草」　山と渓谷社
「長�ｱ県植物誌（中西弘樹/2015）」　長�ｱ新聞社
　
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