(2013.7：島内某所）
葉がササに似ているという
ササバラン 笹葉蘭 （ラン科）
Liparis odorata
絶滅危惧Ⅱ類 (VU)… 長崎県レッドリスト2011
絶滅危惧IB類（EN）…環境省レッドリスト2012
(2013.7：島内某所）
★分布：本州（千葉県以南）～沖縄 ★花の時期：７～８月
★花の大きさ：１センチほど
日当たりの良い草地に生えるランの一種。知人が見つけたものを教えて
もらい、初めて見ることができました。建物にほど近い草地の中、ひっ
そりと咲いていました。
高さ２０センチほどの茎には１０個ばかりの花がついていました。赤紫と、
赤みを帯びた緑を基調としたツートンカラーのイメージ。全体的にシックな
雰囲気をかもしだしています。
大きさは１センチあまり。横から見ると、下の写真のようになります。
暖かい地域で見られるランで、日本では西日本を中心に、国外では台湾
や東南アジアなどに分布します。
名前の由来は、葉が笹に似ているからだというのですが、今回撮影した
ものは葉の先が痛んでいて、いまいち納得できずに終わりました。
多くのランの例に漏れず、ササバランも絶滅が危ぶまれる種類です。国
のレッドリストでは絶滅危惧ⅠB類（EN)、長崎県では絶滅危惧Ⅱ類（VU)
という、高いランクになっています。
現在のところ、福江島での状況については情報が少ないため、はっきりわ
かりません。ただ、明るい草地という環境が維持されることが、ササバラン
にとっては重要なのだろうと思います。今回の撮影地は、地域の人が時々
草刈りをするようで、草ボウボウになることがありません。定期的に人手が
入ることで環境が保たれ、ササバランも生き残っているのではないでしょう
か…。
(2014.9.6）
※参考文献 「長崎県レッドデータブック２０１１」 長崎新聞社
「フィールド版 日本の野生植物 草本」 平凡社