若い頃は白いとか
ベニオウギガニ （オウギガニ科）
Liomera venosa

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(2007.7.30：中通島・青木：水深３ｍ）

★分布：東京湾以南、東南アジア、南太平洋、インド洋東部
★甲の幅：３センチ

夏の夜の海。サンゴの多い浅瀬の海底でこのカニを見つけました。小さな
カニですが、ライトで照らすと全身が真っ赤でよく目立ちます。昼間は岩の
下などに潜んでいますが、夜になると活発に活動します。光を当てると驚
いて、かなりの早さで逃げ回ります。



撮影するのは大変でしたが、岩のすき間に逃げ込んだところをなんとか
撮りました。このカニ、なんといっても真っ赤な色が特徴だと思うのですが
、図鑑によれば若い頃はなんと白いのだそうです。それが成長が進むに
連れて赤くなるのだとか。そういえば、このＨＰにも出していますが、ハコ
ネウツギという木の花は最初白くて、のちにピンク色になります。どちらも
不思議であることには変わりありません。



夜の海は、昼間とはうって変わった独特の世界。思いもよらぬ様々な出会
いがあります。しかし五島は、レジャーダイビングというものへの理解がま
だまだ遅れた地域で、夜に潜れる場所は非常に限られています。上五島
にはいくつか潜れる場所がありますが、福江で夜に潜れるのはまだまだ
先のことになりそうな気がしています。
(08.6.29記）

※参考文献　「エビ・カニガイドブック」　TBSブリタニカ
　　　　　 　　　「海の甲殻類」　文一統合出版

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