ガンガゼのトゲの間で暮らす
ガンガゼカクレエビ（テナガエビ科）
Tuleariocaris zanzibarica

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(2006.10.15：中通島　道土井湾・水深５ｍ）

分布：駿河湾以南の南日本、インド洋・西太平洋　　体長：１．５センチ

ガンガゼというウニを見たことがあるでしょうか？
潮だまりでも見られる、黒くてトゲの長いウニなのですが、このエビはその
トゲの間に住んでいるのです。小さいですし、色もトゲと同じ色をしている
ので、なかなかその存在に気づきません。トゲに化けるとは全く見事なカ
ムフラージュです。伊豆半島以南からインド洋などで見られ、１．５〜２セン
チほどになります。

私が初めてこのエビを見たのは水族館でした。ずいぶん前ですが、静岡
県にある伊豆三津シーパラダイスという水族館で、ガンガゼと一緒にこの
エビを展示していました。こんな奴がいるとは、それはもう驚いたものです。

その後、伊豆半島の大瀬崎での潜水中に初めて見つけ、のちに五島でも
普通に見られることがわかりました。目を凝らすと、トゲにぴったりと寄り
添っていたり、トゲのまわりをホバリングするように泳いでいたりします。
一つのガンガゼに何匹かいることも珍しくありません。観察するときは、ガ
ンガゼのトゲに注意しなければなりません。上の写真のものは特大とも言
えるサイズで、３センチ近くありました。
ちなみに下の写真には2匹写っているのですが、わかるでしょうか？
(07.2.12記）

※参考文献　「エビ・カニガイドブック」　TBSブリタニカ
　　　　　 　　　「海の甲殻類」　文一統合出版

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