8本腕の大型種 　
ヤツデスナヒトデ　（スナヒトデ科）
Luidia maculata Muller & Troschel, 1842

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(2018.2.16：中通島・道土井湾：水深20m）

★分布：房総半島、佐渡〜南西諸島（インド洋〜西太平洋）
★腕の先から真ん中まで：２５センチ

熱帯性の大型種で、腕を広げると５０センチにもなります。写真の個体は
腕が8本で「八つ手」ですが、時には７〜10本という場合もあるようです。
日本列島ではおもに暖かい地域の海で見られますが、砂に潜っていること
も多いとみられ、それほど目にする機会はなさそうです。
私も今回が初めての遭遇です。水深２０ｍの砂泥海底にいました。



黄褐色ベースの体に、黒褐色の斑紋がありました。
腕をみると、両側には白いトゲ状の突起が無数に並び、下側には先が
黄色みがかった管足がたくさん見えます。



観察したのは数分ですが、ほとんど動くことはありませんでした。



肉食で貪欲らしく、時には同種の小さい個体を襲うこともあるのだとか。
また、ある情報では乱暴に扱うとすぐに腕がもげるとありました。トカゲ
のしっぽ切りのように、それで外敵から身を守るというような意味がある
のかもしれません。ちなみに写真の左下に見えているのは、手袋をした
私の手です。水中では、相手と自分の手を一緒に撮ろうとしても、なかな
か陸上のようにはいきません。相手が大きい場合はなおさらなのです。
(2018.3.9）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

参考資料

「ヒトデガイドブック」 佐波征機・入村精一・楚山勇（TBSブリタニカ）
「海辺の生きもの」 奥谷喬司編著・楚山勇（山と渓谷社）
「サンゴ礁の生きもの」 奥谷喬司編著・楚山勇（山と渓谷社）
「環境省 串本海域公園HP」

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