腹部の赤橙色が目立つ
アカハラ 赤腹　（ヒタキ科）
Turdus chrysolaus

(2024.3.22）

◆分布：日本列島では夏鳥または旅鳥、冬鳥　　　◆大きさ：全長24センチ（ヒヨドリぐらい）
◆福江で見られる時期：冬季〜春

全長24センチほどになるヒタキ科ツグミ属の鳥。
日本列島では本州中部以北で夏鳥、冬季は本州以西で越冬します。
福江島を含む長崎県南部では３〜５月に目にすることが多く、その大半は
旅鳥であろうと考えられています。福江島でも冬季に見ることは少ないです。

腹部の赤橙色がよく目立ち、そこからアカハラの名がついています。
オスは顔が黒っぽく（写真上）、メスはそれに比べて顔の色が明るいです（写真下）。
オス・メスともに黄色いアイリングがあります。


(2024.3.19）

森林近くの地表で見かけることが多いです。ツグミ類に特徴的な、数歩歩いては
とまり、また数歩進んではとまるという動作を繰り返しながら食べ物を探します。
落ち葉をかき分けたり、地表を掘ったりしてミミズや昆虫を狙うほか、木の実も
食べます。


(2024.3.11）

上の写真の個体は、数羽のマミチャジナイ（同じヒタキ科ツグミ属の鳥）と一緒に、
ナンキンハゼの実を食べていました。


(2024.3.10）

警戒心が強い個体が多く、人に気づくと木立の中に逃げ込んでしまいます。


(2024.3.11）

福江島では毎年見られますが、年によってその数には大きな差があります。
島内あちこちで出会う年もあれば、非常に少ない年も。

2024年5月現在、国（環境省）および長崎県のレッドリストには掲載されていませんが、
減少傾向がみられる地域もあります。愛知県では近年、繁殖期の生息記録が途絶えて
いることなどから絶滅危惧�TA類（レッドデータブックあいち2020）となっています。
本州中部では標高1000ｍを越えるような山林で繁殖するとされており、
地球温暖化による環境変化の影響もあるのかもしれません。
(2024.5.31）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

参考資料　
「決定版 見分け方と鳴き声 野鳥図鑑350」　植村慎吾/上田恵介　世界文化社 2023
「フィールドガイド 日本の野鳥 増補改訂新版」 高野伸二　(財)日本野鳥の会 2015
「日本の野鳥 識別図鑑」
　　　中野泰敬/叶内拓哉/永井凱巳　誠文堂新光社　2016
「山渓ハンディ図鑑　日本の野鳥」　叶内拓哉ほか　山と渓谷社 1998
「長�ｱ県の野鳥」 長�ｱ県野鳥の会　2014
「レッドデータブックあいち2020」（2024.5.31確認）

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