長いトゲには要注意　
ガンガゼ　（ガンガゼ科）
Diadema setosum

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(2007.1.26：中通島・道土井湾：:水深５ｍ）

★分布：房総半島・相模湾以南、インド洋・西太平洋
★殻の直径：５センチ　★トゲの長さ：２０センチ

ダイビング中に岩陰をのぞくと普通にいますし、潮の引いた磯でも見つけられます。
夜行性なので昼間は隠れていますが、夜に海に潜るとたくさん出ていて、海藻などを
食べています。黒っぽい体に、とても長いトゲが特徴的です。
このトゲは非常に折れやすく、うっかり触ると刺さったまま折れてしまいます。
すると傷口や皮膚の中にトゲが残ってしまうことになります。応急処置としては
お湯が有効です。ダイビングの時に身につけるウエットスーツを着ていても、
割に簡単に貫通してしまいます。ダイビング初心者は、海底に尻餅をついたりしないように
要注意です。

また、体の上の方で目玉のように見えるオレンジ色の部分。「ゲゲゲの鬼太郎」の
目玉のオヤジのようにも見えますが、これは実は肛門です。
その反対側に口があります。

ガンガゼは海藻などを食べますが、大発生すると海藻の森を食べ尽くしてしまう
ことがあります。そのため、場所によっては駆除されることも少なくありません。

食用にはされませんが、イシダイ釣りのエサにされます。
また、ガンガゼのそばで見つかる生きものもいます。例えば、ガンガゼのトゲに擬態し、
その近くで暮らすガンガゼカクレエビ。そして、クネクネと不思議な泳ぎを見せる
ハシナガウバウオ。どちらも、外敵に襲われにくいガンガゼの恩恵に預かっているのでしょう。
(2007.8.15記）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　